2012年12月22日土曜日

父の話03

亀津から,北に向かって車を5分走らせると,慰霊塔がある。戦時中,そこで富山丸がアメリカの潜水艦によって沈められ,その人たちを弔うために建てられた記念碑がある。この記念碑のことは,また後の投稿で書くことにする。その近くに,小さな廃墟がある。父の運転でドライブをしていたとき,突然こんな話が始まった。なんでも,そこは同じ職場で一緒に働いていた同僚の家だそうである。その家庭は,家族の仲がよく,その家自体も,休日を使って自分たちで少しずつ建てたそうだ。仲が良かった家庭であるが,ある日,その人の奥さんが浮気をしたらしい。夫である同僚は激昂し,暴力を振るった。自分の妻に浮気をされたわけだから,それは自然のことかもしれない。結局,妻が出て行く形で,家族は離散した。その後,同僚は,妻が出て行った寂しさからか自殺をしたらしい。その家には,子供たちも住んでいたのだが,家主がいなくなったので,その後どこかへ行ったそうだ。また,娘は,妻の方についていったのだが,原因は何かは分からないが,その娘も自殺をしたそうだ。普段は見落としそうな,小さな廃墟なのだが,そんないきさつがあったのかと思うと,なんだか物悲しい気持ちがした。

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