2021年1月21日木曜日

困った時は遠心力!

 2年ほど前,全校生徒の前で話をする機会があり,私は専科をしている関係で理科に関する話をした。時期的に冬だったので,手をこすると温かくなることや重ね着をすると,服の間に空気の層がたくさんできて快適に過ごすことができるということを話した。この時点で約10分,持ち時間は15分だったので,あと5分残っていた。しょうがなく,バケツの中に水を入れて回してみた。結果は,振り下ろした時に水が少し溢れてしまったため,成功なのだけれど失敗のような感じで終わってしまった。その時の印象が強かったのか,今でも鮮明に覚えている。このバケツの水は,遠心力で落ちないのだが,この遠心力はいろいろな場面で使えるなと思った。例えば,マヨネーズ。粘性があり,きちんと出るまでに時間がかかるが,キャップをしっかり閉めて強く降るとキャップ付近にマヨネーズが集まり,少し押しただけで出るようになる。理科に関しては,試験管の中の水を減らす時にも遠心力が使える。試験管を洗ってしばらく置いていても,半密閉の状態なのでなかなか水が蒸発しない。そこで,遠心力の登場である。試験管を何本かにぎり,頭上から大きく手をふりかざす。それを何度か繰り返すと,試験管の中の水は当初の10分の1程に少なくなっている。このように,遠心力はさまざまな場面で活用できる。今日,理科の実験で試験管の中に同じぐらいのサイズのゴム栓がつまってしまった。きっちり入ってしまったので,取れそうで中々取れない。千枚通しで刺して取ろうとしてもゴム栓がどんどん中に入っていってしまう。どうするか考え込んでいたら,あの遠心力の考えが頭に浮かんできた。ダメ元でやってみようと思い,やってみた。するとパンという音とともにゴム栓が飛び出してきた。音が大きかったのでびっくりしたのか,それともゴム栓が取れてびっくりしたのか,子ども達も驚きの目でその様を見ていた。この経験から,困った時は遠心力という考えがますます湧いてきた。