2011年11月19日土曜日

文明化は,吉か凶か01

私たちは,今,文明社会の恩恵を受けている。退屈している時はテレビを見て,洗濯をする時は洗濯機を使う。水が飲みたい時は,水道の栓を開けばいいし,近くのコンビニに行くと,美味しいジュースがたくさん並んでいる。物質的には,今の世の中は,豊かである。この事は,疑う余地はない。しかし,精神的に豊かなのだろうか?この事に関しては,少し頭をかしげる事もある。例えば,昔,米の収穫をする時には,地域の人たちが寄り集まって,作業をした。その中から,地域のコミュニティーが深まっていった。祭りはそのいい例だし,年中行事で近所の家との触れ合いもあった。それが,今,メディアというものに置き換わろうとしている。私たちは,近くにある人と触れ合わずに,どこか遠くにいる芸人の芸を見て笑ったり,俳優が演じているドラマを見て感動したりしている。確かに,それらのものは,私たちの近くにあるものより遥かに刺激的で,楽しませてくれる。しかし,それは,あくまでもメディアという架空の世界の中の事である。現実には,その人たちは近くにいないし,触れ合う事もできない。それは,コンピュータの中の仮想現実化された生活に限りなく似ている。刺激的すぎる故に,近くにある大切なものを忘れ去ってしまう。昔,ばあちゃんの年の祝いをするといって,木から枝を切って,そこに紅白の餅を飾った思い出がある。ばあちゃんがどう思っていたかは分からないが,少なくとも子供の私たちは楽しかった。また,母や親戚のおばさんたちは,朝早くからお祝いの準備をしていた。しかし,現代社会では,そうした想いはあるものの,薄れてきている気がしてならない。これからは,地域コミュニティーを再確認し,人を大事にする社会を作っていかなければならないと思う。

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