皆さんは、言霊という言葉を聞いたことがあるだろうか。言葉には、それぞれが持つ意思があって、時としてそれが人の心を打つことを示している。私は、元来音楽が好きで色々なジャンルの曲をこれまで聞いてきた。歳をとったせいか、最近は聴く回数が減ったものの、それでもあることをきっかけに音楽を聴き続けることがある。最近では、陽葵というシンガーが歌った「さよなら夏の日」という曲が気に入っている。原曲は山下達郎であるが、その中に入れられている言葉が私の琴線を揺り動かした。冒頭の波打つ夕立のプールしぶきを上げて一番すてきな季節が終わるという言葉が飛び込んできた瞬間、頭の中にその歌のシーンが浮かんできてじんとしてしまった。この曲には他にもたくさんの言霊が含まれていて、曲の持つ凄さを改めて感じさせられた。また、秦基博の書く曲にも様々な言霊が入っている。「朝が来る前に」という曲に、フィラメント、遊歩道など、生活の中で何気なく見慣れているものが歌詞に使われているのだが、それに音楽が加わるとまるで言葉に魂が乗り移ったかのように伝わってくる。これらの言霊は、人によってそれぞれ違っていると思うが、言葉が人の眠っていた意思をゆり動かすと考えると、私たちが日々発している言葉にそうした言葉を入れることで、より深く相手に伝わっていくのではないかと思う。
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