2025年11月30日日曜日

住吉社中について

昨年、いちき串木野市の教育講演会が行われた。市の教育講演会は、毎年行われており、色々な方面で活躍している講師の方がやってきて研究内容や活動報告などをするのがメインとなっている。ただ、昨年の講演会は、いつもとは少し趣が異なっていた。皆さんは、住吉社中という団体をご存知だろうか?私自身、いちき串木野市で働きながら、その存在を知らなかった。住吉社中とは、何かの行事、あるいは家族での催事があった時に、歌に合わせて踊りを踊った文化だそうである。いちき串木野市では、あちこちでそうした催しがあった時に、盛んに行われていたそうである。しかし、メディアの登場と同時に、そうした文化が失われていったそうだ。そこで、地域に残る文化を継承していきたいということで、始めたそうである。当時は、昔の芸能は古く、それをすることさえも疎ましく思われていた部分もあり、そうした苦境にも諦めることなく活動し続けていた。もちろん、そんな調子なので習い事をする子どもたちもかなり少なかったそうである。しかし、その地道な活動が話伝いに伝わっていき、次第に身を結んでいった。最近では、城山観光ホテルや指宿にあるホテルでも催しが行われているそうである。今流行りの曲は、似たようなメロディとダンスが繰り返されている。新しい文化であるが、それが繰り返されると変化がないように捉えられてしまいがちになる。住吉社中は、昔の文化ではあるものの、現代にない曲調や踊りが、若者にとっては新しく映るので、少しずつ発展しているのだと思う。また、年配の方にとっては、昔の記憶を辿ることができ、これはこれで人の心を動かすのだなと思った。地方再生と叫ばれ、色々な施設を作り地元を活性化する動きが働いているが、地域に残る文化を継承することも、それに匹敵するものの一つになるのかもしれないと思った。いや、もしかするとこちらの方が地方再生の切り札なのかもしれない。


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