NHKの新日本風土記を見た。この番組は、地域に密着し、そこに住む人々の様々な活動の様子を紹介する番組である。今回は、寅さんの舞台である柴又だった。柴又は、古くから水が豊富で、それを使った産業が発達してきた。冒頭では、都市農業について紹介されていた。建物に囲まれた狭い土地で、単一栽培でなく色々な野菜や果物を作っていた。果物の生産では、消費地に近いというメリットを活かして実が完熟するのを待って集荷するという手法を取っていた。なるほど、この方法だと採れたてなので、より美味しく食べられるなと思った。また、豊富な水を生かしたメッキ工場についても紹介していた。何でも、メッキは水に金属を溶かしそこに電気を流すことで、金属の表面に薄い金の膜を生成できるとのことだった。その際大量の水が必要で、近くにある水源を利用することでメッキ産業が発達したそうである。50年、その道を続けてきた人が出てきたのであるが、その人からは仕事に対する自信のようなものを感じ取ることができた。最後に、水辺の生態系を守るNPO法人の方が紹介されていた。外来種の影響で、一体に生えていたハスが全滅してしまい、そこから何年もかけて再生したという。環境を壊すのも人、再生させるのも人、人が環境にいかに影響を与えているかがよく分かった。最後に、関係者を紹介したテロップと同時に、歌が流れてきた。その歌は、奄美出身の朝埼育恵さんの曲であった。動画と見事にあった曲で、曲を聴いていると郷愁のような物が起きてきた。この歌手の持つ独特な声と、曲の根底にある奄美の民謡がそれを生み出しているように感じられた。映像には、派手な演出も有名な芸能人も登場しないのであるが、その土地に逞しく生きる人々が紹介されていて、それに心を打たれてしまった。
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