教育講演会で偶然出会った住吉社中であるが、踊りの所作がとても繊細で、改めて日本文化の素晴らしさを感じた。最近では、ダンスを習っている子が増えているそうだが、現代のダンスは男性的な強さと速さを求めているのに対し、日本古来の踊りは女性的で柔らかさと優雅さを秘めている感じがした。また、最近はメディア等でダンスはあちこちで見られるようになった。当初は、激しい動きや体型移動に感動したのであるが、それが日常のあらゆる場面で見られるようになると新鮮味が少しうすれてしまった感もある。音楽もそうなのであるが、人は似たような物の連続を避ける傾向がある。例えば、好きな歌手がいたとする。そして、その人の曲を聴き続けていると、なんとなく変化がないように感じられてきてやがてあまり聞かなくなってしまうことがある(数年後懐かしくなって聞き返すこともあるが・・・)。踊りの分野でも、それと似たようなことが起きているのかもしれない。踊りと同様に、最近提灯にも惹かれてしまう。プラスチック製の電飾で光る提灯もいいのであるが、蝋燭のゆらゆら光る提灯が不思議なことに新鮮に感じてしまう。蝋燭の儚い光、そして和紙を通して光っているその様は、何か日本独自の儚さと繊細さが伝わってくるような気がする。戦後、日本はアメリカに敗れ、そこからアメリカ的な文化がたくさん伝わってきた。しかし、それが日常となった今では、日本古来の文化が改めて新鮮に映り、再び台頭するような気がした。日本文化の持つ、繊細で優雅なコンテンツは、もしかするとこれから世界を席巻する文化へと変貌していくのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿