スマホやカメラの画素が上がり続けている。これまでは,1000万画素が主流であったものが,2000万,中には一億画素というものが現れ始めている。ビデオにおいても,ハイビジョンが主流であったものが,4Kや8K録画できるものが登場し始めている。画素が上がると,詳細感が増し,より鮮明に見えるようになる。つまり,見栄えの良い画像ができるというのが企業の論理である。しかし,画素が上がると,それを処理するパソコンにもそれなりのパフォーマンスが求められる。記録されたデータは,これまでのものより膨大になる。旧機種でこの膨大なデータを処理するともっさり感が出たり,機種が古い場合はフリーズする場合も考えられる。カメラを変えると,パソコン,録画メディア,そうしたものを総入れ替えする必要が出てくる。それよりは,これまで使っていた環境を使い続けるために,カメラも1000万画素程度にすると,処理もそれなりにできて,トータルバランス的に使い勝手が良くなると考えられる。以前,先輩から書画カメラをもらったことを記事に書いたが,それは80万画素しかないものであった。それでもちゃんとした絵を映してくれ,使い勝手がとてもいい機種であった(ただ,拡大すると,画素のブロックが出て,細かな物を写すには性能不足を感じることはある)。しかし,今にして思えば,その時代の名機だったと思う。大事なことは,画素オンリーではなく,全体としてのパフォーマンスが大切である。より良き物,より新しい物を追い求めるのは,素晴らしいことではあるが,これからは使い勝手に関しても考えていかなければならないと思う。ただ,企業側の立場に立って考えると,必ずしもこの論理はいただけない。つまり,新しい商品を買ってもらわないと,会社として立ち行かなくなってしまうからである。しかし,やがて画素競争にも収束がやってくる。画素は上がっても,それを受け取る私たちの目がついていかなくなってしまうからである。つまり,カメラやパソコンも,シャープペンシルや万年筆と同様に,性能の向上が望めない時代がやってくる。そうなった時,どういう商品を作り続けるかがカギとなってくると思う。
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