最近,NHKの番組が面白い。CMに財源をゆだねていないNHKは,独自の番組を製作する。最近の私のはまりは,ブラタモリ,ドキュメント72,ファミリーヒストリーなどである。中でもドキュメント72は,ある店や場所に密着して,そこに来た人に,なぜ利用しているかや家族とのエピソードをインタビューする番組である。何ヶ月か前に,東北にある自動販売機(たしかうどんだったと思う。)の放送をしていた。外は,吹雪が吹いているのに,何人かの人が利用していた。その中の一人は,高校時代よく利用していて,訪れたということだった。その人は,がんを患っていたのだが,病気が分かってからふとこの自動販売機に寄ってみようと思ったそうだ。その自動販売機でうどんを食べていると,楽しかった高校時代のことを思い出すそうだ。また,モトクロスをしている親子連れもこの自動販売機に来ていた。母親は,高校時代少しぐれていて,よく両親とけんかしたらこの自動販売機に来ていたそうだ。値段が安いこともあり,時には知らない人がおごってくれたこともあったという。息子にも,辛い時があったら,ここにきたらいいよと話をしていた。無機質でなんの変哲も無い自動販売機なのだが,そこにはいろんなドラマが隠されているのだなと感じた。また,定点観測で,そうした人のエピソードを掘り探っていく番組を製作しているスタッフにも脱帽してしまった。
追伸
放送があった後,この自動販売機にはたくさんの人が訪れていたそうだが,店主が高齢となったこともあり,その後は販売中止になったそうだ。その話を聞いて,とても残念に思った。
ドキュメント72時間「秋田・真冬の自販機の前で」
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