2012年12月29日土曜日

未来のテレビ

日本の家電がおかしい。韓国や台湾,中国の製品に押されて,海外で苦戦中である。私が思うに,日本の家電は,農業で言うところのモノカルチャー化してきている気がする。単一的な機能に特化するあまり,世界的な流れに乗れていない。最近では,3D。立体で見えることを売りにプッシュしたが,価格が高かったこと,3D眼鏡を一人一人用意しなければならないこと等様々な要因が重なり,思うほど売り上げが伸びていない。それではと,今度は高精細を売りに,ハイビジョンより4倍も画素が細かな4Kという画素のテレビを売り出そうとしている。しかし,金額が百万を超えることもあり,私が思うにこれも売れないと思う。日本の家電は,元来このように,ある機能に特化して,売り上げを伸ばしてきた。その代表的な物が,テレビであった。画質を高め,価格を下げることで,国際競争力を高めたのだ。テレビの出始めの頃は,それで充分であった。しかし,他の国が,同じような製品を作れるようになった今,単一的な機能を追い求めるだけでは,売れない時代となった。では,これからのテレビに求められることは何か?それは,テレビの多機能化である。これからのテレビは,放送を受信して映すだけでは物足りない。最短では,録画機能。これは,最近のテレビに搭載されつつある。それに加え,ネットサーフィンが快適に行える物が求められる。つまり,これまでパソコンに求められてきた物が,テレビに求められている。もっと言えば,テレビとパソコンと,これまで住み分けられていた物が,合体し,一つの製品として捉えられるようになる。さらに,これだけでは,収まらない。それに加え,ネットを介した動画や音楽などのコンテンツを購買できるようなサイト(iTunesやfulu,mora等)を扱えるような製品作りが求められている。それには,家電業界だけでなく,放送局や映画会社,音楽業界,すべてを飲み込んだ製品作りが求められている。その先駆けとなる製品が,再来年にアップルから出るようである。iTVと呼ばれているが,この製品こそ,次世代のTVの標準になると私は確信している。テレビ戦争に負けたアメリカが,再び力を取り戻すべく着々と準備をしている。日本のメーカーが,単一的な機能を追い求めるのをやめないと,日本のテレビに未来はない。

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