何年か前に、沖永良部島に、ジッキョヌホーという水源地があるのを知った。沖永良部島の地盤は珊瑚礁が隆起してできた土地が多く、雨が降っても地下にすぐに染み込み、水の確保が難しかった。人が生活するには、水がとても大切で、それだけに湧き水が出てくるこの土地は、昔から大切に使われていたと考えられる。沖永良部の人は、この水源地を大切にしていて、石組みで水源地を囲んだり、水を汲みやすいように階段をつけたりして、周りをきれいに整備している。一方、徳之島は、地質の関係もあり、川が流れている場所も多い。加えて、水源地もあちこちに点在している。父や母に聞くと、昔はよく利用していたという。そこで、水をくんだり、若い人たちはそこで水浴びをしたりして遊んだりしていたと言っていた。ただ、沖永良部とは異なり、この水源地のほとんどは現在使っている集落は少なく、コンクリートで固められたり、薮になっているところも少なくない。この水源地を沖永良部のように、活用できないかと数年前から考えている。水は、昔から生活の基本であり、社交の場でもあった。沖永良部島のように、水源地を石垣で整備し、人々が集える場所にすると、観光資源がまた一つ増えるのではないかと思う。島にいる人は、今の生活が当たり前と考えているので、そうした資源には気づきにくいのであるが、島の外にいるからこそ島の資源に気づけるのかもしれないと思った。
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