私が小学校の頃,鹿児島から新任の先生がやってきた。まだ教師になりたてで,とても若かったことを覚えている。何にでも一生懸命で,特に理科が上手だった。ある日,カエルの解剖の実験があった。先生は,手際よく解剖していって,カエルの肺が膨らんだり縮んだりする様子を見せてくれた。小学生にとって,それはグロテスクであったが,それ以上にそうしたことができる先生がいることに驚かされた。それから,私はその先生を尊敬するようになった。何かの拍子に,その先生が,「3℃になったら,雪が降ります。」といったのを覚えている。南国の徳之島には,暖かいので雪は降ることはない。それでも,夢見がちな私は,いつか雪が降らないかと寒い日は空を見上げていた。先日,霧島市に雪がちらほらと降った。車の気温計を見ると1℃。あの先生のいったことは間違いではなかったのだなと,今更ながら考えることだった。
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