2012年2月26日日曜日

妙見温泉

トンネルを抜けると,そこは雪国だった。川端康成が書いた「雪国」の代表的な文である。最近,これに似た体験をした。昨日,ひょんなことから,霧島市にある妙見温泉を車で通った。これまで,何回か通ったことがある道であるが,ここ1年程遠ざかっていた。周囲を山に囲まれ,川沿いの小さな平地を利用して,温泉宿や家屋が建っている。モダンな温泉宿もあるにはあるが,そのほとんどは,もう何十年も建て替えてないであろう古い宿が並んでいた。それは,まるで昭和にタイムスリップしたような小さな温泉郷であった。自宅から,車で30分ほどしかしない所に,こんなひなびたところがあるのかと思いながら,車を走らせた。古い町並みを見ていると,郷愁のような不思議な感情が込み上げてきた。デジャブーではないが,自分の小さき頃の様子とどこか重なる部分があるような気がした。近代的な街も魅力的だが,こうした町も残していかなければいけないなと思った。ちなみに,写真があれば良かったのだが,残念ながら今回は写真が撮れなかった。というのも,道沿いに車が止められるような場所が適当な場所がなかったからだ。次回行くときは,ぜひカメラを持って出かけてみたいと思う。

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